ゆたろーさんのメモ

フランス産のRPG JRPGを強く意識した作りが多くあの頃の作品が好きな人には刺さるものが多い ■評価点 古来からJRPGを楽しく遊んできた人たちに向けて現代に進化したあの頃のJRPGを回答してくれた作品 既視感はあるかもしれないがJRPGの良い所を切り取って現代風にブラッシュアップしている ★戦闘システム ターン制戦闘であるものの回避やパリィの要素が大きく戦闘の優位性に寄与している 敵のアクションを見切りながら状況に応じて回避、パリィ、ジャンプ等多種多用な行動を要求してくる、分かりやすく例えるなら非常にテンポのいいマリルイの戦闘 戦闘はAPというゲージを使って行動を選択していく このAPが前述したパリィ等で得られるためよりそれらの回避行動が重要になっていく なお一般的なRPGで言うMPという概念に近いのがこのAPで、攻撃もこのAPを消費していくのだが、このAPを管理するのも戦略性が問われて面白い 例えば戦闘中にエイムと呼ばれる銃撃を行う事ができるのだが、この行動はAPが尽きるまで1ターンの間に何度も行える つまり一気にエイムで攻撃するか、のちの事を考えてAPを節約していくのか、そう、これは3DSの名作JRPGブレイブリーデフォルトのデフォルトシステムにも類似している 各種状態異常もどこか昔のJRPGを彷彿させるものが多く、パーティ全員が魅了で壊滅した戦闘等は、某サガの七英雄の紅一点を彷彿させる 魔法使い系キャラのシステムはクロノクロスのようなエレメントシステムっぽい概念があったり、ピクトスという戦闘によってアビリティを取得してパーティメンバーに継承していくシステムなんかはFF9のアビリティシステムと類似している とあるキャラはFFシリーズの青魔法のようないわゆる敵の技をスキルとして覚えるキャラもいたりする このように数え出したらキリがないぐらい往年の名作JRPGの要素を感じる部分が多く、あの時代を楽しめた人にはものすごく楽しめるだろう ★その他システム MAP移動がワールドマップシステム、これもあの頃のJRPGを想起させる 徒歩から始まり海上、そして空と移動手段が拡張させる時に世界中を冒険したくなるワクワク感なんかも懐かしい 攻略に関係ない寄り道要素もかなり多い 言い方は悪いがしょうもないミニゲームも、冒険の長旅にちょっとした箸休めにはなるもので、ついつい遊んでしまう ミニゲーム以外にも普通の寄り道ダンジョンもあり、しかもそれなりにしっかりとした冒険をさせてくれるため、これで本編関係ないレベルなのかと思わせてくれるのもなんとなくあの頃のJRPGって感じもする ★ストーリー 序盤からかなりドラマティックに激しく物語が動いてくる 冒険の目的も非常に明確で、呪いを打ち消すためにペイントレスを倒す、という動機が明瞭で分かりやすい 序盤から外の世界の恐怖感というのをまざまざと見せつけてくれるため、この世界の過酷さを嫌でも染みつかせてくれた 中盤以降の重大なネタバレ込み 比較的序盤で主人公だと思っていたキャラであるギュスターヴが普通にしれっとフェードアウトして、新たなキャラ、ヴェルソが主人公に降臨する 正直、最初はどういうこと?君は誰?なんで彼が主体となって行動始めてるの?って思わされる事が多いし、結局ギュスターヴとヴェルソの関係性については現時点でもはっきりとしたものは分かってない ただ終盤で明かされる、この世界が絵画で描かれた虚構の世界というのは割と驚いた そういう事実が分かってから改めて序盤のシナリオを見つめなおすと描かれた存在、という表現がその辺にあったりしてなるほどなぁとなった 背景を全て理解すると、正直ラスボスであるルノワールの行動の方が正しいと思え、マエルの行動は現実世界から目を背ける逃げの行動でしかないと思えなかった だからこそ最後に、死者であるヴェルソが全てを終わらせる選択を取る事ができる(厳密にはプレイヤーの選択になるが)のは嬉しかったし、迷わずヴェルソルートを選択した ビターな終わり方ではあるが全てを清算するエンドとして一定の納得感はあった 総じて一定の意外性のあるシナリオとなっており、一つの洋画を見ているように楽しめた ★BGM BGMはどれも良質であった 冒頭の曲の入り方から戦闘の勇ましさ、ちょっとキャッチーなBGMと幅も十分に感じる事ができた ただBGMが流れるだけでなく、場所、場面その状況に合わせてかなり曲模様を変えてくれるため文字通り「BGM」としてストーリーを彩る演出として非常に色濃いものに昇華されていた 個人的な好みでは可愛い感じのBGMも好みではあるが、ラスボス戦のBGMはかなりかっこよかった 曲数も非常に多かったので後々聞き込めば好きな曲はさらに増えるだろう ■問題点 日本語訳は結構違和感は拭えない こういうゲームあるあるなのだが、日本語訳に違和感あるだけで説明や会話がすっと入ってき辛い 私は自分で自分のプレイを必ず動画にしているため、結局今のなんだったんだ?を理解するため再度自分の動画を見るという事が何回もあった チュートリアルも比較的丁寧にやってくれている方なのだが、やはり日本語訳に不自然さがあるため微妙に頭に入って来ない 結局チュートリアルで100理解するというより自分で実際触ってみて覚えるという方向になる事が多かった 他にも調査隊記録等もどうしても日本語違和感のせいで100理解はできてない まぁいずれにせよ伝わらないレベルの日本語訳ではないのでプレイにおいて重大な支障が出るレベルではない 意味のあるアドバイスにはならないと思うが、英語ネイティブレベルでゲームを楽しめればより評価は上がるだろう(まぁこれは洋ゲー共通だが) 洞窟系のMAPがかなり暗い リアリティはあるのかもしれないが、明るい所と暗い所の明暗がすごいはっきりしているため設定でその都度調整するのがややめんどかった ダンジョンがミニMAPがないため結構迷う、MAPぐらいは欲しかった ストーリー面 重大なネタバレ込み あれだけヴェルソとマエルがストーリーの主軸になってしまうと、じゃあぶっちゃけ序盤主人公のギュスターヴってなんだったの?となる もしかしたらこの存在そのものにストーリー上の深い意味があるのかもしれないが一周だけでは読み取れなかった 終盤のマエルの行動心理はプレイヤー視点では理解はできるものなのだが、本質を見ると現実世界で過ごしたくないからここでみんなと過ごしていたいという行動でしかない 自分は母親とは違うなんて言っても結局同じ行動を取っていると思う ■総評 あの頃の名作JRPGの良いとこどりという評判にたがえぬ非常に面白いゲームであった ローカライズは若干違和感はあるのでアプデで改善されるとよい

遊び終わった