ぴんやさんのメモ

SFC版から約25年の時を経てフルリメイクされたマリオシリーズのRPG作品。 ☆4だがだいぶ☆5寄りの4。 リメイクとしては十分すぎる出来で、SFC版をプレイしていたプレイヤーならきっと納得するだろうというレベル。 SFC版の魅力を損なわず、かつ遊びやすいよう改良されたり新機能があったりと丁寧にブラッシュアップされている。 【良かった点】 ・表現力の向上 各イベントシーンがムービーになり、キャラクターの表情や動きがよりわかりやすくなった。特にマロに関してはふかふかもちもちな体が精細に表現されており、「実際に触れたらこんな感触なのかも?」という想像力を掻き立てられる。 マリオがベッドを踏むと布団がふわっとなびいたり、ベロームがキャラクターを食べる専用のモーションが用意されている等、原作にはなかった細かい描写も増えていて、そういった部分を見つけるのを楽しんでプレイしていた。 ・原作の要素とリメイクの要素のバランス まず、SFC版の雰囲気が全く壊されていない。当時とほぼ同じような感覚で遊ぶことができる。リメイクでグラフィックを刷新したりストーリーやシステムを大きく変更したりするものもあるが、このゲームにはそういった点はほとんどない。 その上で、UIは全体的に現代のゲームと同じようにアレンジされていて古臭さが払拭されている。新システムであるチェインや3人技は本来の面白さにプラスするような要素で全く邪魔をしていない。 ・より遊びやすくなっている 今、原作を遊ぶと昔のゲーム故に歯がゆい部分も多少あるのだが、その大多数を改善して遊びやすくしている。 例えば、メニューから即移動できるファストトラベル機能や”なにかんがえてるの”の記入代行、一部の取り返しのつかない要素の救済等。 また、戦闘が楽になるエンジョイモードが追加されており、RPGが苦手な人でも楽しめるよう工夫されている。 【悪かった点】 ・良くも悪くも原作に忠実 良い点でもあるのだが、あまりにも原作に忠実すぎて、原作プレイ済だと新鮮味はどうしても薄れてしまう。個人的にリメイク版ではどういった違いがあるのだろう?とワクワクしながらやっていたが、先述したムービー以外はそこまで大きな違いはないと感じた。 また、原作に合わせるためか、近年の作品では珍しくマリオをはじめとしたキャラクターの声がない(クッパとヨッシーのみ一部声有)。マロやジーノ等、オリジナルキャラクターのキャスティングのコストといった問題もあるので、仕方ないところではあるかもしれないが、そこまで忠実にしなくてもという気持ちも多少なりともあった。マロとジーノに声があるならどんな声なのかという想像をしたこともあったので、少し残念。 ・アクションコマンドのジャストタイミング あまりにもわかりにくすぎる。これは原作にもある問題だが、もう少しタイミングをわかりやすくできなかったのかと思う。せめてタイミングが早いか遅いかくらいは教えて欲しかった。 元がSFCのゲームなので少しボリュームは薄いが、元の面白さをそのままにさらに面白くしているという模範的なリメイク作だと思う。SFC版をプレイしたことなくても、RPGが得意じゃなくてもぜひオススメしたい作品。 【2024/03/13 クリア後の要素をプレイ】 本作の追加要素として本編のストーリーをクリアすると、一部ボスと再戦することができるのだが、本編と比べると難易度が爆上がりしている。 以下がっつりネタバレ。 本編(SFC版含む)はレベルと装備さえ整えておけばゴリ押しで勝てたが、ほとんどの再戦ボスは脳死で殴っても攻撃が通ることは少なく、ちゃんと攻略法を練らないと勝てないようになっている。 さらに、初見殺しとしか思えない攻撃(しかも一撃死)もあり、それについては死んで覚えるしかないレベル。元々そういうゲーム性ではなかったので、少々困惑した。 基本的なストーリーはなく、ただ移動してボスを倒すだけといった内容だったので、少々淡白だなといった印象は持った。 ただ、ピーチ加入後以降少なくなってしまっていた会話シーンが新規追加されたのはありがたい。ブッキー戦の会話シーンがブッキー節満載でとても好き。 個人的には本編の後日談というか延長線上みたいな内容を想像していたので、そういった意味では少しがっかりはしたが、マリオのゲームというお膳立てを取っ払い、RPG本来のスリリングかつ戦略的な戦いができたので、最終的にはとても楽しむことができた。

プレイ期間:2024年02月
2024年03月
遊び終わった